2010年7月28日水曜日

樹木の葉脈

  

やがて、いつからか
昨日が詰まった樹木の葉脈に
閉じこめられてしまった

その憂いた眼差しを
ひたすらに泳がせて
悲しみは何処へ

他者がいじめる
他者が愛してくれる
他者が通り過ぎていく

なにかの忘れ物ばかりが
眉の辺りをかすめて消える
あれらは何処へ

消えてなどくれない風は
ずっとこの瞳で揺らいだまま
君は何処へ

自分の中にいる他者と
他者の中にいる自分と

この夜にある真実は
樹木の葉脈に
閉じこめられてしまった世界で
心は皆、
孤独を詠っているということだけ




  

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