天窓
囚われた日を
天窓の隙間に見つけたとして
僕は眺めている
晩から降り続いた雨が
きめ細やかな滴りで朝を覆うまで
囚われた日を
天窓の隙間に見つけたとして
僕は羨んでいる
昨日、通り過ぎた山のふもとで
川のせせらぎに耳をすます蝶々が
夢の中で羽ばたいていたのを
囚われた日を
天窓の隙間に見つけたとして
僕は数えている
憶えてしまった悲しみ以外の感情が
心地よいほどの過ちを
雨の数ほど残しているから
どこまでも連なり
小さな正方形に収められた
ひとつひとつ
囚われた僕も、また
消えることのない
それらすべてを
見つめることしかできなかった
けして触れることのできない
忘れがたい風景を
その天窓の隙間に
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