5月の叙情
昔、頬杖をついて
退屈そうに雨音を留めていた
昼下がりの窓際
あの5月の叙情が
すべての今であって
過去の涙であり続ける
忍びないほど随分と
時は経ったが
打つべきピリオドを
見逃してしまったようで
今も窓際は変わらない
生まれてゆくもの達を
祝福するべきなのか
消えていくもの達を
悲しむべきなのか
無慈悲なまま漂う君は
窓の向こうの
鳥さえ飛ばなくなった空の片割れで
今日も頬杖をついている
時は時を忘れ
過去も未来も生き続け
雨は同じ色で降り続く
昼下がりの窓際
未だにここは
退屈そうに雨音を留めている
この5月の叙情が
すべての今であって
未来の涙であり続ける
0 件のコメント:
コメントを投稿