2010年7月14日水曜日

5月の叙情

 

昔、頬杖をついて
退屈そうに雨音を留めていた
昼下がりの窓際

あの5月の叙情が
すべての今であって
過去の涙であり続ける

忍びないほど随分と
時は経ったが
打つべきピリオドを
見逃してしまったようで
今も窓際は変わらない

生まれてゆくもの達を
祝福するべきなのか
消えていくもの達を
悲しむべきなのか

無慈悲なまま漂う君は
窓の向こうの
鳥さえ飛ばなくなった空の片割れで
今日も頬杖をついている
時は時を忘れ
過去も未来も生き続け
雨は同じ色で降り続く

昼下がりの窓際
未だにここは
退屈そうに雨音を留めている

この5月の叙情が
すべての今であって
未来の涙であり続ける




  

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