2010年8月10日火曜日

2時44分

 

動くことをやめている
電池の切れた時計は
真夜中の2時44分のまま

地球は回っているが
時計は一瞬を刻み込んで
そのまま変わろうとしない

動くことをやめている
真夜中の2時44分で
止まっている

夜は生き続けているが
時計は動かない
大きな岩のように
微動だにしない

動くことをやめている
時は永遠にそこにある

小さな今を包むように
朝の訪れも、季節さえも
もう必要ないように

動くことをやめている
消えてしまうはずの2時44分は
そこにあり続けている




 

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