秋の日の天気
郷愁の湖にゆらめく
わずかな落ち葉の
乾いた葉脈を想う、ある秋の日
紅葉とは裏腹な世界の色を
見つめる雲の吐息が
国を伝いここまで来る
背骨の曲がった足跡は
それに消されては
雑草が生えていく
置いてけぼりにされた実感は
また一つの星を飲み込み
その病の重さを表している
すでにこの体を
地上に締め付ける鎖は
だいぶ緩くなっていることに
枕の上で跳ねる
恐怖と悔しさ
それでも
生まれ落ちたあの秋の日の天気が
思い出せず
まだ追いかけ続ける
それは
十八センチの物差しでは
計りきれはしない
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