2010年9月10日金曜日

孤独詩

 

名もない国の
誰も知らない街で
そっと、言葉を綴っていた

春に芽生えるための種を食べながら
冬眠の準備をする狸を見て
逃げ道を探すかのように
僕は言葉を巡らせる

汚れることを嫌うなら
詩人で在り続けなければならない

もしも昨日に、この足跡が消えたとしても
もしも明日に、僕が死んでしまおうとも
地球は回ることを止めはしない

時の流れを意識して
遠い空に言葉を届ける

秋風に煽られて消えてしまう表現が
街の片隅で咲いていられるように、と
遙かなる未来を尋ねて

僕は
名もない国の
誰も知らない街で
そっと、言葉を綴っていた




 

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